廃車になった後の取り扱いとは?
車を一時的に廃車にすることの利点

廃車と聞くと、解体工場の敷地に積まれている車の山のように、車が潰されたり粉々になったりすることを思い浮かべる人は多いです。
実はこれは廃車の方法の一つに過ぎません。
廃車には、車両の状態を維持したまま、一時的に使用をとめるだけにとどめる方法もあり、これは正式には一時抹消登録あるいは自動車検査証返納届出と呼ばれています。
車を一時的に廃車にすることにもいくつかのメリットがあります。
例えば、一時抹消登録をした車両は、車検に合格すれば再度公道上を走ることができるようになります。
永久抹消登録をしてしまうと、その後自走可能な状態を保っていたとしても、その車両を走らせることができなくなります。
そのため、所有車を再び運転する可能性があるなら一時抹消登録をしておき、もう使用しないことがはっきりした段階で業者に解体してもらって、解体の届出を行うと良いです。
また、一時抹消登録を行うと、登録を行った翌月からは自動車税の納税と、車検の受検義務が無くなり、自動車税については還付の対象にもなります。
抹消登録を行わないと、これらの義務は通常通りに生じるため、使用をやめている期間中に余計なお金を支払わなくても済むように、登録手続きは行っておきましょう。
なお、納税と受検の義務がなくなる代わりに、車検証の効力は、どんなに有効期間が残っていたとしても、登録を行った段階で消滅するので注意が必要です。
廃車代行費用はいくらくらいが相場なのか
廃車手続きを業者に代行してもらおうとする場合、誰もが注目するのは料金です。
廃車代行費用は、車両の引取料、解体費用、抹消登録費用、自動車リサイクル料の総額となっているのが一般的です。
車両の引取料は、車両がある場所から解体業者の工場までの距離や、自走ができるかどうかで大きく費用が変わります。
相場は5,000~30,000円程度で、自走が可能で、なおかつ自分で運転して業者のもとに持ち込む場合は引取料が無料になります。
解体費用は、車両の状態によって異なっており、あまりに古かったり、保存状態が良くないと無料で請け負ってもらえる場合があります。
有料になる場合は10,000円前後が料金の相場となります。
抹消登録費用は、運輸支局や軽自動車検査協会での書類による手続きを代行する場合の手数料で、数千円程度ですべてやってもらうことができます。
もちろん、自分で施設に行って手続きを行うのであれば無料になります。
自動車リサイクル料は、自動車リサイクル法に基づくリサイクル処理を実施するためにかかる費用で、すでに支払い済みであれば廃車手続きの際に支払う必要はありません。
支払わなければならない場合、料金は車種に応じて異なっており、相場は6,000~18,000円程度となっています。